近視の人必見!1Dayと2Weekコンタクトの違いと健康リスク

眼の健康ブログ
コンタクトレンズを装用する女性のイメージ写真

ソフトコンタクトレンズの1Dayと2Weekは、どちらも使い捨てコンタクトレンズとして扱われてきたため、ひとくくりに思われがちです。しかし、使い方と健康リスクの面では、実はまったく別物と考えた方がよいことはご存じでしょうか?

1Dayと2Weekは、どちらも快適で便利なコンタクトレンズです。正しく使えば、本当はどちらも健康リスクは低いのです。

ところが、「1Dayは使い捨てなので洗う必要が無い、2Weekはリユーザブル(再使用可能)なので洗う必要がある」という大きな違いがあります。この違いを意識せず2Weekコンタクトを十分に洗わずに使っている方が圧倒的に多いという残念な現状があります。

待っているのは、角膜感染症という恐ろしい病気のリスクです。

デジタルデバイスを長時間使用するドライアイの時代、目の感染症のリスクは高まっています。この記事を読むと、1Dayと2Weekの違いがはっきりわかり、正しい使い方や感染症を防ぐための大切なポイントが理解できます。

コンタクトレンズの基礎知識を知る

2Weekを選ぶ理由とは?

では、なぜ多くの人が2Weekを選ぶのでしょうか?4つの要因を以下に挙げます。

2Weekが選ばれる理由
  1. コスト
    • レンズ代だけで比べると、2Weekは1Dayの半分から3分の1ほど。
      洗浄液を入れてもトータルコストはおよそ6割程度。※詳しくはこちらをご覧ください。
  2. 環境への配慮
    • ゴミの量が少ない。
  3. 種類の多さ
    • 強度近視・乱視・遠近両用など、2Weekにしかない製品がある。
  4. 慣れ
    • 長年使い続けているから変えにくい。

つまり「安い・環境・選べる種類」が2Weekの主な魅力です。

1Dayと2Week、何が一番違う?

性能やつけ心地はメーカーや素材による違いの方が大きいので、「1Dayか2Weekか」で大きく差が出るわけではありません。1Dayと2Weekで何が大きく違うのかというと、「1日で交換するか、2週間同じものを使うか」の違いです。

私たちが身に付ける使い捨て用品は、使い捨てマスク、紙おむつ、生理用品などがありますが、必ず一日または一回使用したらそのまま捨てます。このため洗う必要がありません。

一方、身に付けるもので繰り返し使うもの(リユーザブル)は、下着、靴下、そして布マスク(洗って使うタイプ)などがありますが、一日あるいは一回使用したら必ず洗濯したり洗ったりしますね。こうしたリユーザブル用品は使い捨てとは言いません。

しかし、2Weekは、洗う必要があるリユーザブルなのに、使い捨てと呼ばれることが多いのです。実際は、2Weekは洗浄という清潔ケアをして繰り返し使うリユーザブル用品なのです。

1Dayと2Weekの違い
1Dayと2Weekコンタクトレンズの使い方の違いを比較した図
  1. 性能や装用感は1Day・2Weekよりもメーカーや素材の違いの方が大きい
  2. 本質的な違いは「使用期間」
    • 1Day → 1日で捨てる「使い捨て」
    • 2Week → 2週間繰り返し使う「リユーザブル」
  3. 身近な例でたとえると
    • 使い捨て品:マスク、紙おむつ、生理用品(洗う必要なし)
    • リユーザブル品:下着、靴下、布マスク(毎回洗う必要あり)
  4. 2Weekは「洗浄ケア必須のリユーザブル」なのに“使い捨て”と呼ばれることが多い
  5. 実際には「清潔管理して繰り返し使うタイプ」だと理解することが大切

2Weekの清潔ケアができていないとどうなる?

もし2Weekを洗わずに使い続けたらどうなるでしょうか?
下着を2週間洗わずに着続けることを想像してみてください。細菌が増え、皮膚炎や膀胱炎を起こす人も出るでしょう。

目も同じです。

清潔ケアを怠ると視力を失うことも

細菌・角膜感染症のイメージ画像
  • 目の表面には常在菌(黄色ブドウ球菌など)がいる
  • 水道水やお風呂には環境の菌(緑膿菌など)がいる

コンタクトはそれらを「集めて」「温めて増やす装置」のようなもの。
清潔ケアを怠ると、数時間〜1日で菌が爆発的に増え、ドライアイで角膜が弱っていると角膜感染症を引き起こします。これは視力を失うこともある、とても怖い病気です。
※詳しくはこちらをご覧ください。

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まず知ろう!2Weekコンタクトの適切なケアとは?

まず、2Weekコンタクトの適切な清潔ケアはどういうものなのか確認しましょう。

清潔ケアの目的は、下着や布製マスクと同じで、目に見えない細菌とたんぱく質汚れを除去することです。そして、使用する洗浄液の種類によって、清潔ケアには大きく次の2通りがあります。

2Weekコンタクトの適切なケア
こすり洗いとつけおきによる2Weekコンタクトレンズの洗浄方法を説明するイラスト
  • 物理的に除去する方法
    • 指でこすってすすぐ(洗浄液:MPS※)

  • 消毒作用で除去する方法
    • 殺菌力の強い保存液につけおきする(洗浄液:過酸化水素システムやヨード製剤タイプ※)

ここで問題になるのは、大多数の人が使っているMPS(Multipurpose Solution:多目的消毒保存液)の場合です。
安くて手軽なため選ばれやすいのですが、次の説明のように清潔ケアに手間がかかり、十分にできていない人が多いからです。

MPS使用の場合に必要な清潔ケア

MPSは最も一般的。1本で「洗浄・すすぎ・保存」ができますが、必ず「こすり洗い」と「すすぎ」が必要です。

  • 清潔ケア法
    • 両面を各20回ほどこする
    • 片面5秒以上すすぐ(水道水は絶対にNG)
    • ケースは毎回洗って乾燥(水道水は絶対にNG)、3か月ごとに交換
つけおきタイプ使用の場合
  • 過酸化水素システム
    • 酸化反応を利用して細菌を分解する強力な殺菌作用を持つため、基本的にこすり洗いが不要。専用ケースと触媒を用いて、化学反応でレンズを消毒。レンズの汚れが強いときには補助的にこすり洗いを推奨する医師もいる。
    • 中和が必要で、忘れると眼障害リスクがあるため要注意。
  • ヨード製剤タイプ
    • すすぎ液とポビドンヨード配合の錠剤を混ぜるだけで使える比較的新しい洗浄方法。細胞膜を破壊し強力な殺菌効果と同時に中和が必要ない手軽さが両立。ただしヨードアレルギーの人は使用できない。殺菌力は過酸化水素システムよりやや劣る。

1Dayと2Weekに共通する正しい使い方

1Dayと2Weekコンタクトレンズに共通する正しい使い方のポイントをまとめたイラスト

どちらのタイプでも、次の2つは絶対に守りましょう。

  • レンズの水道水への接触を避ける

    洗顔・シャワー・プール・温泉で装用はNGです。理由は、水道水にいるアカントアメーバという微生物がコンタクトに付着するとアカントアメーバ角膜炎という良い治療法のない重い角膜感染症を起こすことがあるからです。

  • 使用スケジュールの遵守

    名前通り、1Dayは一日だけ使用し捨てましょう。2Weekレンズは14日以内に交換しましょう。

アカントアメーバ角膜炎について知る

MPS使用の方の多くは清潔ケアが不十分

2Weekコンタクトを使用されている方には、必ず清潔ケアができているか質問していますが、MPSを使用している方が大部分で、そのなかの多くの方はこすり洗いは3~5回くらいとお答えになります。印象としては8~9割くらい。
全くこすり洗いしていない人も一部います。実際には、以下のような調査報告があります。

調査で明らかになった清潔ケアの実態
  • MPS使用ユーザーの清潔ケア
    • ある調査では41%の人はレンズの「こすり洗い」をほとんどしないと報告されています。さらに別の調査では、「こすり洗いを行う人は7%」にとどまるという結果も。

  • 保存液やケースの扱い
    • 80%以上の人が「ケースを推奨の期間より長く使用」、さらに55%が液の継ぎ足しをしていると報告されています。
  • セーフティ意識・水への接触
    • 多くの装用者が「シャワー中にレンズをしたまま」、「水でレンズを洗う」、「プール・温泉で着用」といった行為をしており、リスクの高い行動が頻繁に報告されています。
  • 使用期限の超過
    • 1Day使用者の15%が1日を超えて使用しているという報告があります。2Week使用者の約半数が2週間を超えて使っているという報告もあります。

なぜ2Weekの清潔ケアが疎かになるのか?

なぜ、2Weekは清潔ケアに手を抜いてしまいやすいのでしょうか?考えてみました。

2Weekケアが疎かになる3つの要因
  1. 細菌やアカントアメーバは目に見えないから
    • レンズに付いた細菌や汚れが目に見えないからと思います。下着や靴下は、使用したら汚れが目に見えたり、匂いがしたりしますので、汚れたことを直感的に理解できます。一方、ソフトコンタクトレンズについた細菌は目に見えず、汚れもよほどでなければわかりにくいため、不潔とは感じずに目に付けてしまいます。
  2. 2Weekを使い捨てと呼ぶことによる思い込みや誤解
    • 先述したように、1Dayコンタクトは使ったら捨てるだけの使い捨てです。一方、2Weekは「再使用可能(リユーザブル、Reusable)」用品です。1980年代に、短期間で計画的に交換するレンズとして1Day、1Week、2Week、1Monthが登場してきました。そのとき業界では「従来型に比べて Disposable(使い捨て)」と宣伝したのです。このため「1Dayも2WeekもDisposable(使い捨てレンズ)」と呼ばれる慣習が定着しました。人は言葉からくるイメージに左右されるもの。2Weekは使い捨てという間違いを訂正する必要がありそうです。
  3. 自分は大丈夫と思ってしまう
    • ここまで読むと、「清潔ケアを守っていない人が多いとのことだけど、角膜感染症になるのは一部の人だけでしょ?」と思う人もいるでしょう。無理もないことです。しかし、病気のリスクは“確率”的なところがあります。例えば、「タバコを吸う人が全員肺がんになるわけではありませんが、吸わない人よりリスクは何倍も高くなります。」に似ています。コンタクトレンズも同様で、「全員が感染症になるわけではないが、清潔ケアを怠るとリスクが数倍~数十倍に跳ね上がる」というわけです。

角膜感染症は、細菌が増えたうえに、目が乾いて角膜が感染に弱くなるなど、ルーレットのように条件がドンピシャ合うと起きるのです。

スマホやパソコンの使用時間が増えている時代、角膜が乾いている人は増えています。コンタクトレンズの清潔ケアを十分に行い、感染のルーレットが合わないように気を付けることが大切です。

まとめ

1Dayと2Week、あなたはどちらを選びますか?1Dayも2Weekも、安全に使えば快適で便利なコンタクトレンズです。
ただし、

  • 1Dayは「本当の使い捨て」
  • 2Weekは「洗って繰り返し使うリユーザブル」

という違いをしっかり理解し直して、正しく使うことで、トラブルのない安心のコンタクトライフを送ることができます。忙しい人・ずぼらな人は1Dayがおすすめ、コスト重視でケアを守れる人は2Weekが良いかもです。

この記事を執筆した医師

株式会社Personal General Practitioner代表取締役社長/医学博士・眼科専門医

板谷 正紀

京都大学医学部卒業。以後20年間、京都大学および米国ドヘニー眼研究所で網膜と緑内障の基礎研究と臨床、手術に取り組む。 京都大学では眼底の細胞レベルの生体情報を取得する革新的診断機器「光干渉断層計(OCT)」などの開発と普及に貢献する。 複数の産学連携、医工連携プロジェクトを企画推進し、2003年文科省振興調整費「産官学共同研究の効果的推進」に選ばれる。 医師でのキャリア35年。増殖糖尿病網膜症や増殖硝子体網膜症、緑内障などの難症例の手術治療を得意とする。

英語論文148報(査読あり)
著書『OCTアトラス』、『OCT Atlas』、『Everyday OCT』、『Myopia and Glaucoma』、『Spectral Domain Optical Coherence Tomography in Macular Diseases』
株式会社Personal General Practitioner(PGP)https://pgpmedical.com

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