コンタクトレンズ

一般的な近視矯正法として定着した「コンタクトレンズ」

コンタクトレンズ(以下、CL)の「コンタクト(Contact)」とは、「接触」という意味です。眼の角膜に接触する凹レンズにより、屈折を弱めて近視を矯正する屈折矯正装具です。メガネのように見た目を変えないため人気が高まり、コンタクトレンズの使用者は全国で1,500万~1,800万人と言われています ※1 。

なかでも、1日(ワンデー)使い捨て、1週間使い捨て、2週間頻回交換SCL、定期交換SCLといった「使い捨てSCL」が酸素透過性や装用感が向上し、装用者も増えています。最近では、カラーコンタクトレンズやサークルレンズが、おしゃれアイテムとして人気が出てきています。

一方では、不適切使用による眼障害が増えています。特に、角膜感染症を引き起こすと重篤な視力障害に陥ります。CLは高度管理医療機器とされていることを知らない方は意外と多いのです。便利でおしゃれアイテムとしても優れたCLであるからこそ、安全使用により少しでも長くCLを装用するためにも目の健康を守っていきましょう。

※1.公益財団法人日本眼科学会「コンタクトレンズ障害」
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=19

視力回復にコンタクトレンズが選ばれる理由

学童期に近視で視力が落ちてきたら、最初に使うのはメガネです。コンタクトレンズを始める年齢はまちまちですが、10代で始める方が多く理由は人によって様々です。

「メガネをかけるのがうっとおしい」「メガネをかけた見た目が嫌」「マスクでメガネが曇って不便」「スポーツでメガネが不便」など、多くは見た目や快適性がその理由になります。

一方、コンタクトレンズの方がメガネよりよく見える方もいます。まず、近視の度数が強い場合は「メガネのレンズが厚く重くなる」「かけている人の眼が小さく見える」「視界の周辺が歪んで見える」などの不便がありますが、コンタクトレンズはこのような問題がありません。

円錐角膜など不正乱視がある目はメガネでは矯正が難しく、ハードコンタクトレンズによる矯正が必要です。左右の屈折の差が大きく(不等同視)、メガネで両眼を矯正できない場合は、コンタクトレンズの方が合っています。

このように、便利で優れたコンタクトレンズですが、目の表面に接触するため眼表面のトラブルを起こすリスクもあることを知った上で、適切に使用して、少しでも長いコンタクトライフを楽しめるようにしましょう。

コンタクトレンズのメリット

メガネと比較したときに、以下のような主なメリットが挙げられます。

  1. 見た目の印象が良くなる
  2. 息や湯気で曇らない
  3. 広い視界が得られる
  4. スポーツのときにも快適
  5. 強度近視や不同視でも快適に見える
  6. 不正乱視でも視力が出せる(ハードコンタクトレンズ)

コンタクトレンズのデメリット

デメリットのほとんどは、コンタクトレンズが目の表面に接触するために生じます。そのため、コンタクトレンズはメガネと併用して装用時間を長くしすぎない、トラブルが出たらメガネで過ごして目を休ませる、という意識が大切です。

  1. ワンデー以外はケアが必要
  2. 角膜や結膜の病気を引き起こすことがある
  3. マイボーム腺機能不全などドライアイを進行させる
  4. 目に問題が出ると使用中止になる

コンタクトレンズの種類と選び方

コンタクトレンズにはハードとソフトがある

コンタクトレンズは素材により、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けることができます。ハードは水分を含まない硬い素材でできており、角膜より小さいサイズです。ソフトは水分を含む柔らかい素材で角膜より大きなサイズです。

30年前は、ハードの方がソフトより多く使われていましたが、現在ではソフトがハードの2倍ほどユーザー数が多くなっています。その理由は、ソフトコンタクトレンズの方が装用感が良く始めやすいことと、使い捨て(ディスポーザブル)が増えたことにあります。

しかし、ハードの方が向いている方もいます。自分の目的に応じて、まずハードかソフトかを選ぶことが必要です。そのために、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。

ハード/ソフトコンタクトレンズのメリット・デメリット

タイプ メリット デメリット
ハードコンタクトレンズ
  • 強い乱視や不正乱視でも矯正が可能
  • 眼に酸素を通しやすい
  • 2~3年の長期間使用可能で経済的
  • レンズが硬いため慣れるまで異物感が気になる
  • 外れやすいため激しい運動に不向き
ソフトコンタクトレンズ
  • 装用感が良く初めてでも慣れやすい
  • ズレにくいため、スポーツに最適
  • 使用頻度に応じて1day、2weekなど選択が可能
  • 眼のトラブルに気づきにくい

ハードにするかソフトにするかで迷ったら

異物感と慣れやすさ ハードコンタクトレンズは、ソフトより異物感が強く装用感に慣れるのに2~3週間と時間がかかる点がハードルです。慣れやすいのはソフトでしょう。
外れやすさ ソフトコンタクトレンズの方が外れにくいため、運動をする人や運転業務に携わる方に向いています。
酸素透過性 一般的に、ハードコンタクトレンズの方が酸素透過性は高い傾向にありますが、最近はシリコーンハイドロゲルを用いた酸素透過性の高いソフトが出てきたため、差がなくなっています。
お手入れ ハードコンタクトレンズもお手入れは必要ですが、ソフトほど煩雑ではありません。1-dayソフトコンタクトレンズは、毎日交換するためお手入れは不要です。ソフトは、材質的に様々なタンパク質や菌類が付着しやすいため、1-day以外のソフトは、しっかりとお手入れが必要です。

ほとんどの方は、ハードでもソフトでも選択可能です。角膜に不正乱視がある方は、乱視矯正に優れるハードコンタクトレンズを選びましょう。スポーツ選手や運転手など途中でレンズが外れたり、ズレたりすると困る方は、ソフトコンタクトレンズが向いています。

このように、ハードかソフトのどちらかが明瞭に向いている場合を除けば、装用感・酸素透過性・費用・ケアの有無や煩雑さなどを参考に選んでいくことになります。

ソフトコンタクトレンズは選択肢が多い

酸素透過性向上

新素材のシリコーンハイドロゲル素材が使われるようになり、格段に酸素透過性の高いソフトコンタクトレンズが登場しました。コンタクトレンズは、人生の中で長期間目に装用するものになるため、できるだけ酸素透過性が高いレンズを選ぶのがよいでしょう。

学童期に始める場合は1-dayを

同じレンズを長く装用できる2-week(1-month)は、十分なお手入れが必要です。お手入れが不十分だと、角膜潰瘍など重大な目の病気になるリスクがあります。学童期は自己管理の練習期間となるため、このリスクをとらず、1-dayから始めるのがお勧めです。

使用頻度も考えて

1週間に1~2日しか使用しない方は、1-dayのソフトコンタクトレンズが適しているでしょう。

コンタクトレンズが原因となる目のトラブル

コンタクトレンズは、高度管理医療機器クラスⅢです*。これは、人工関節や麻酔用人工呼吸器と同等のランクになり、トラブルが生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられています。

どのようなトラブルかというと、目の表面である角膜と結膜のトラブルです。なかでも角膜のトラブルは、視力障害につながるリスクがあるため、防ぎたいトラブルです。

https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0015.html

【角膜のトラブル】

  • 点状表層角膜症
  • 角膜潰瘍
  • 角膜炎
  • アカントアメーバ角膜炎

【結膜】

  • アレルギー性結膜炎
  • 巨大乳頭結膜炎

【マイボーム腺】

  • マイボーム腺機能不全によるドライアイ進行

初めてコンタクトレンズを作る場合は処方箋が必要

始めてコンタクトレンズを作る場合は、検査により近視や乱視の度数を正確に把握して処方箋をつくることが必要です。
また、もともとアレルギー性結膜炎やドライアイがある目は、コンタクトレンズを始めることで、悪化する可能性があります。その場合は、点眼治療を併用して目の負担を減らしながらコンタクトレンズ装用を行います。円錐角膜がある場合は、ハードコンタクトレンズが必要になります。このように、目の状態を把握して適切なレンズの選択と必要な治療を行うことが大切です。

  1. Step01

    問診

    目の病歴や現在感じている目の不具合を問診します。

  2. Step02

    検査

    他覚的屈折検査と自覚的屈折検査により、目の近視や乱視の度数を調べます。角膜曲率半径測定でコンタクトレンズのカーブを決めます。その他、眼圧検査や眼底検査で目の健康状態を調べます。

  3. Step03

    フィッティング確認

    角膜曲率半径測定で決めたコンタクトレンズが実際に目に合う(フィットする)かどうかを細隙灯検査で確認します。

  4. Step04

    装着後の視力検査

    コンタクトレンズの度数を決めて、実際に装着して視力検査を行い、十分な視力がでることを確認します。

  5. Step05

    処方箋の受け取り

    処方箋を受け取ったら、コンタクトレンズ販売店へ持って行き、コンタクトレンズを受け取ります。

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