屈折検査
自動で数秒で分かる屈折異常
屈折異常とは、「近視」と「遠視」、加えて「乱視」のことを言います。目の屈折の状態を測定することを屈折検査と言います。実際は、「他覚的屈折検査」と言い、オートレフラクトメータと呼ばれる自動測定器で測定できます。
眼科に行くと、まず小さな機器の前に座り顎台に顎を乗せて中を覗き込み、「道路の向こうの気球を見つめてください」と言われる、あの検査です。機器が自動で測定するため、気球を見つめているだけで数秒で終わります。次の視力検査に必要な、眼科の基本検査の一つです。
目の屈折異常とは
「屈折」とは、お風呂で水中の上が曲がって見えるように、空気と水という別の媒体の境界面で光が曲がることを言います。目の場合は、角膜前面・角膜後面・水晶体前面・水晶体後面で屈折が起こります。
屈折異常がない目は、光が目に入って屈折した結果、網膜面に焦点を結ぶようになっていますが、多くの方は屈折異常があります。この焦点が網膜より前にあると「近視」、後ろにあると「遠視」になります。
「目の屈折」は、焦点が網膜面にある時を「0」、近視側を「マイナス」、遠視側を「プラス」で表記します。例えば、近視側に2ジオプター*焦点がずれている場合は、-2ジオプターの近視と表現します。目の屈折は、角膜のカーブ・水晶体の厚み・眼球の前後の長さにより決まります。
乱視も屈折異常の一つです。角膜や水晶体をレンズとみなした時、レンズのカーブが場所により異なり、焦点が複数生じてしまう状態です。多くの場合の乱視は、角膜がフットボールのように規則正しく歪んでいるために生じ、ひずみの方向である軸を持ちます。
* 光の屈折の程度を表す単位
眼科の視力検査を変えたオートレフラクトメータ
視力を知る上で、目の屈折異常を知ることは基本中の基本です。オートレフラクトメータは目の屈折異常を数秒で測定可能で、眼科では必須の検査になっています。人の見え方ではなく、眼底から反射してくる光を光学的に解析して屈折状態を割り出すため、「他覚的屈折検査」と呼ばれます。
自覚的屈折検査(いわゆる視力検査)では、このオートレフラクトメータの数値を元にして、見え方を確認しながら屈折異常をより精密に明らかにしていきます。オートレフラクトメータは近視、遠視に加え、乱視の度数と軸も自動測定できます。
オートレフラクトメータの中を覗くと、道路の向こうに風船が浮かぶ絵があります。この風船を見ることで視線を固定します。測定するときには、この風船像がぼやけます。こうすることで、目がピントを合わせようとする調節機能が働かない状態(=遠方を見ている状態)にして(雲霧)測定します。
子どもの場合は、調節力が強いため、この方法だけでは調節機能の影響を取り除くことができないため、点眼薬で調節を麻痺させてからオートレフラクトメータ検査を行います。