近視の症状の程度を知る

ひとくちに近視と言っても強さに幅がある

近視には、その強さの程度に幅があります。近視の程度は「度数」で示し、その度数の強さは屈折力の単位である「ジオプター(Diopter; D)」という単位で表します。-3.00D未満が「軽度近視」、-3.00Dから-6.00未満が「中等度近視」、-6.00D以上が「強度近視」と分類されています。

近視の強さにより、裸眼の見え方、老眼になってからの見え方、近視矯正の方法などが変わります。また、近視が強くなると、緑内障や眼底疾患の罹病リスクが高まります。ご自分の近視の程度とその影響を知っておきましょう。

近視度数と視力の違い

近視の度数が強いほど裸眼視力は低いのは間違いありませんが、近視の度数と視力は表しているものが異なります。

度数は屈折のズレの程度を表します。言い換えると、近視矯正に必要なレンズの屈折力の強さになります。度数はジオプター(D)で表します。近視の度数が強いほど裸眼視力は低いことは予測できますが、度数から実際の視力の数字は分かりません。その逆もしかりです。

一方で、近視の度数を矯正するレンズを入れると矯正視力が分かります。矯正視力は、その目の屈折を最適に矯正したときの視力のことです。目の病気で視力が低下している場合は、矯正視力は不良となります。

次の近視の分類、すなわち「近視が強いか弱いか」を表現するのは視力ではなく度数です。「視力表の一番上も見えないので強い近視」だと思っていても、実は度数で見ると-3Dの中等度近視ということも多く、視力で近視の強さを分類することはできません。

近視の分類

一口に近視と言っても、その度数には大きな幅があり、度数に応じて近視の影響は変わってきます。一般的な分類は下記の通りです。

近視が強いほど、メガネのレンズは分厚くなり不便になります。また、強度近視になると、緑内障や網膜剥離など目の病気になりやすくなります。近視進行予防を考える上で、強度の近視にしないことが目標になります。

軽度近視  … -0.5D以上-3.0D未満の近視

中等度近視 … -3.0D以上-6.0D未満の近視

強度近視  … -6.0D以上の近視

 

軽度近視~中等度近視

近視にもメリットが無いわけではありません。近視になると遠方がぼやけますが、それより近方によく見える場所があります。老眼年齢になると、近視の無い目は遠くはよく見えますが、スマートフォンやパソコンがぼやけてきます。しかし、近視があると近方のよく見える場所は依然としてよく見えます。

-1D程度の近視の場合、中間距離という地面や手を伸ばした距離、すなわち生活でよく使う距離のものはよく見えます。老眼がきつくなるとスマートフォンは厳しくなります。

-3D前後の近視の場合、老眼が進んでもスマートフォンはよく見えます。しかし、さらに強い近視になるとよく見える場所が、目に近づきすぎて不便になります。

-6Dを超える近視の場合、よく見える場所は目元15cmあるいはそれより近くになるため、日常的に使わない距離になります。

強度近視

強度近視は、遠方も、中間距離も、近方もぼやけて見えます。つまり実用的なところはすべてぼやけてしまいます。

メガネもレンズが厚くなるため不便に感じる人が多く、コンタクトレンズに依存した生活になります。つまり、装用時間が長くなりがちです。レーシックの適応は無く、最近はICLで強度近視も矯正できるようになりました。

強度近視は、屈折矯正の問題だけではなく、緑内障や網膜剥離など失明リスクのある病気のリスクが高くなる問題があります。強度近視の中でも、−10.25D以上の場合は最強度近視と言われることもあり、後部ぶどう腫形成が進み黄斑の病気になりやすくなります。

最強度近視・病的近視

白内障に起因せずに−10.25D以上の強度近視の場合、最強度近視とされることがあります。これくらい近視が強くなると、ほとんどの場合40歳以降に後部ぶどう腫が形成されて、視力を司る黄斑の周囲の組織が引き延ばされて様々な異常をきたします。そうなった場合を病的近視ともいいます。

近視性牽引黄斑症黄斑出血、膜脈絡膜萎縮、近視性視神経症などの難病のなるリスクがあります。手術が必要になったり、治療法が確立されていなかったりします。近視進行を予防して、病的近視になるリスクを減らすことが何より重要です。