両眼視機能検査

左右の目と脳が立体感をつくる

両眼視とは、左右の目で見ることにより、脳で生み出される立体感や距離感のある見え方をいいます。人の両目の視軸のズレが生み出すわずかな見え方の違いを脳が処理して、立体感や距離感を生み出します。

この両眼視機能という脳の機能は生後2ヵ月頃から急速に発達して5歳頃までに完成します。両眼視機能の発達のためには、この幼少児に両目でものを見ることが必要です。斜視や屈折の大きな左右差が原因で両目で見ることが妨げられると、両眼視機能は不完全になります。

このため、まず乳幼児期の屈折検査や眼位検査は重要です。その上で両眼視機能を調べ、治療によって維持または改善したかどうかをモニターしていきます。

両眼視と立体感

両眼視とは、左右の目で見ることにより、脳で生み出される立体感や距離感のある見え方をいいます。

人の眼は顔の正面に並んでいます。正常な眼位は、左右の目の向きが同じです。そして、両目の距離は平均で男性64mm、女性62mm離れています。

このため左右の目は同じ物を見ているようで、視線の角度がほんの少し違います。これが3D情報を与えます。

また、近くの物ほど視線のズレは大きくなり、遠くに離れるほど視線のズレは大きくなります。これは、遠近の距離に関する情報を与えます。

このように左右の目で見た情報を脳が処理することにより、距離感や立体感が生まれます。この感覚は、特に動きのある行為を行うときに威力を発揮します。

脳の力は偉大で、片眼でもある程度、立体感を得ることができます。目に映る像の影やピントの合い方などの視覚的な差異で、立体を認識することができると考えられています。しかし、動的な行為に必要な立体感としては不完全です。

両眼視機能異常の原因

両眼視機能は生後2ヵ月頃から急速に発達して、5歳頃までに完成する脳の機能です。このため、何らかの原因で両目でものを見ることが妨げられると、両眼視機能は不完全になります。主な原因を見てみましょう。

強い屈折異常:遠視・近視・乱視のいずれかが両眼とも強いと、ぼんやりしか見えないため、無治療だと両眼とも弱視になりますが、両眼視機能も発達しずらくなります。特に遠視が強い場合に起きます。

左右の大きな屈折差:遠視・近視・乱視のいずれかの左右差が大きいと、異常の小さい方の目は視力は発達しますが、無治療だと大きい方は弱視になりやすくなります。治療前に両眼視ができないため、両眼視機能も発達しずらくなります。

斜視:斜視は両方の目でものを見ることを妨げるため、両眼視機能が発達しにくくなります。間欠性外斜視や交代性上斜視は、時に斜視眼を使うときがあるため、弱視にはなりにくいですが、左右の目を同時に使いにくいため、両眼視機能が低くなります。

両眼視機能検査とは

主な両眼視機能検査は、チトマスステレオテストと大型弱視鏡を用いた検査です。

チトマスステレオテスト:近見立体視検査の一つです。偏光レンズメガネを装用して、左右に視差を付けた図柄が浮き上がって見えるかどうかを検査します。

大型弱視鏡:両眼視機能と視線のずれの角度を測定できます。両眼視機能の訓練に用いることもできます。