視野検査

見える範囲の機能を調べる視野検査

視野とは、目を動かさないで見える範囲のことです。人の視野のなかで、最もよく見える中心部の視機能を「視力」といいます。視線、すなわち、見つめたところの見え方が視力です。この見つめたところの周囲がすべて「視野」になります。

人の視野は、見つめたところから離れるほど見え方は低下していきます。部屋の時計を見てください。時計ははっきり見えますが、その周りはぼやけています。視野の端の方になると、物があるかどうかくらいしか分かりません。この視力ほどはっきり見えない視野ですが、視野がないと見たいものへ視線を動かすことができません。

例えば、街を歩いているとき、周囲の人や自転車や看板やお店は、まず視野に入ってきます。そして、気になるものに視線を移してはっきり見ます。視野がないと、廊下や街を歩くのも怖いと思います。この大切な視野が狭くなる病気が存在します。視野検査は目の病気を診断するために必要な検査です。

人の視野について知ろう

人の視野は、健康な大人が両目で見た場合、個人差はありますが上下に120~130度、左右に150~200度あるとされています。

視力がでる視線は視野の中心部分に相当しますが、色も形もはっきり認識できます。視線から離れるほどぼんやりとしていき、いちばん周辺になると物の存在や動きが辛うじて分かる程度になります。

これは、目の中の網膜にある光センサーとしての視細胞の分布に対応しています。網膜の中心部分には「色センサー」である錐体細胞がぎっしり詰まっています。これが視力を生み出しています。錐体細胞は中心から離れると急速にまばらになります。

一方、明暗しかわからない「明るさセンサー」である杆体細胞は、錐体細胞の密集地帯を取り囲むようにリング状に密集し、中心から離れるほど錐体細胞よりゆっくりと減ります。つまり、視野は視線から離れるほど、色センサーよりも明るさセンサーの割合が高くなります。

視野で視界にあるものをおおまかに捉え、そのなかの必要なものに視線を走らせてはっきり見る。我々は、このような視野と視力(視線)を無意識に連携させて見ているのです。

視野が欠ける病気とは

病気が起こる場所や病気により、視野の欠け方や欠ける速さが異なります。

 

網膜の病気

網膜剥離:剥離した網膜は機能を果たさないため、対応する視野が欠けます。急に視野が欠けはじめ、中心に向かって進むという特徴があります。

網膜色素変性:網膜の光センサーである視細胞が減少します。周辺から中心に向かって、極めてゆっくりと視野が狭窄していきます。

 

視神経の病気

緑内障:緑内障特有の視野欠損パターンで始まります。極めてゆっくり進みます。

視神経炎:視神経の炎症により、視線を含む中心視野が欠けます。中心暗点と言います。急激に起こります。

 

脳の病気

脳梗塞:後頭葉に視覚野が存在するため、後頭葉に脳梗塞が起きると、同名半盲と呼ばれる左右に同じパターンの視野欠損が生じます。急に起こります。

下垂体腺腫:腫瘍が大きくなるにつれ、視神経交叉部を圧迫して視野狭窄が起こります。両耳側半盲や両鼻側半盲が起きます。徐々に進みます。